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風景画2巨人の訃報に接し、心の一部をロストする。

  • アトリエ主
  • 2020年12月6日
  • 読了時間: 2分

こんばんは、アトリエ主です。

11月は、風景画家であるアトリエ主が、特に影響を受けた2人の作家の訃報に接することとなり、なにか胸の中に大きな空洞が生じた月となりました。


まずは、日展作家でもあり、日本を代表する洋画家、樋口 洋 先生の訃報を知ることになりました。享年77歳。雪の描写にこだわり続け、雪とともにある人の営みを、温かくかつ雄大に描いてきた先生でした。

実は6月に逝去されていたということでしたが、日展系会員でもないアトリエ主がこの報に接したのは、美術誌上に掲載された11月になってからでした。

アトリエ主が油彩風景画を志したころ、あまた読んだ指南書の中で、特に樋口先生の著書は、スッと体になじんで行くものでした。

同郷という親近感もさることながら、名実ともに、私の先生だったと言えます。


次に、「釣りキチ三平」などで知られる漫画家 矢口高雄 先生の訃報でした。享年81歳でした。

漫画という表現の中で、風景・自然描写を徹底され、絵画の境地に持ち込んだ先生です。

アトリエ主が幼少のころ、当時の釣りブームを牽引されつつ、一方で東北秋田の風物を扱ったリアリティあふれる作品を執筆され続けました。ただのお絵描き好きだったアトリエ主が、郷土風景画家として成立してゆく過程で多大な影響を受けた先生でした。

矢口先生がまだ地方のアマチュア作家だったころ、わが水木しげる先生と東京での出会いがあったそうです。

当時の水木プロ・アシスタントであった つげ義春先生や池上遼一先生とも出会い、特に水木先生から作品をべた褒めされ、矢口先生はモチベーションを爆上げされたとか。その翌年雑誌誌上で受賞、上京を果たすまでの矢口先生のエッセイに記されており、読後に静かな感動を得たことを記憶しております。


両先生とも、とても品行方正なかたであり、このような人間になりたいという憧れもありました。いつか出会いたいと日展会場に訪れ、また、秋田の記念館にもゆきましたが、とうとう叶わずじまいでした。

まだまだ多くを学びたかった気持ちで一杯です。

樋口先生、矢口先生、どうぞ安らかに。

胸の穴は開いたままですが、そのふさぎ方もやがて先生がたが残してくださったものが教えてくれるでしょう。それまでしばらくは寂しさに浸らせていただきます。


アトリエ主でした。

 
 
 

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