捨てたもんじゃない。都倉長官の思い。
- アトリエ主
- 2021年5月19日
- 読了時間: 2分
コロナ禍の長期化にともない、国内あらゆるところで、あらゆるジャンルの、文化活動そのものが大きなダメージを被り続けております。
経済については、その軋む音に国民全員が右往左往し、何とかリカバリしようと総力をあげています。ところが、文化芸術活動については、あたかも「不要不急」のタトゥーが彫り込まれているかのように、積極的リカバリが施されていないように思います。
地域でも、以前から収入に直結しない文化活動を軽視、排除しようとする一部為政者があり、このコロナ禍でも堅実に勢力を維持しているようで、失望します。
そんななか、各地緊急事態宣言延長に伴い、合理的説明のないまま文化施設の休業延長を続ける東京都の対応を受け、先週、声明を出したのが、国の為政者、都倉俊一文化庁長官でした。
彼は、「文化芸術活動は社会全体の健康や幸福を維持するうえで不可欠」とし、思考停止のごとき文化施設の休業要請に嘆く姿を滲ませました。
都倉長官は、著名な歌謡曲を手がけた、ガチなアーチストです。緊急事態の渦中でも、ある程度の自粛緩和を用い、国民の健康を気遣うことも重要と見たのです。
アトリエ主も、即効性は肯定できませんが、文化的、あるいは創造的教養こそが、この見えない敵による災害に対し、正しく恐れ、正しく対処することが出来ると考えています。
ワクチン開発や治療、病原解明には科学・医学が。
そして、人心の健康や平穏、災害の記録伝承には文化芸術が。
それぞれ重要な役割を果たすでしょうし、その両輪のバランスを決して欠いてはいけないと思います。
とある地方自治体(まあ、どことは言いませんがw)にとって、文化活動の維持は(平時から)負担の一部ととらえる側面があり、その排除を声高にして一定の支持につなげる為政者もおります。そして今は、その主張に抗うべきでないような空気さえあります。
しかし、一段高い文化為政者が、大切な文化、決して見捨てない。と声明を上げることは、(まあ、それが政治的発言としての見地から、賛否両論招こうとも)我々文化振興にかかわる者たちの大きな支えとなるのです。
アトリエ主でした。
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