尾高城 イメージ図を納めさせていただきました。(3)
- アトリエ主
- 2023年12月4日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年12月7日
続かせて頂きます。
いよいよパース図化となります。
といっても、ビルや公園のような、計画構造物や既存の構造物はないので、あくまで往時の姿をイメージして描く、”鳥瞰図(鳥の視点から俯瞰して描いた図)”。というのが、完成形の本質に思いました。
ざっくりと描画工程を綴ります。まず、表現したい遺跡の視点や画角が決まったら、その位置から模型を写真撮影します。模型に拘るのは、この模型こそ、研究者、描画作家、そして制作を委託してこられたクライアント様の思いがシンクロした、重要なマテリアルだからです。次に、写真データをCADの中で配置し、模型のアウトラインをもとに、水平線と消失点を求めます。この時、CADを使いますと、画面のはるか彼方にこれら消失点を設定しても紙の継ぎ足しなどがいらないので便利です。2点透視、3点透視、複合的な透視図法も可能です。
こうして消失点が決まったら、今度は逆に、アバウトだった遺跡のアウトラインを、論理的に線画化し、絵画ソフトで仕上げてゆきます。こうして、なんだかんだを経て鳥観図が完成します。
これにさらに専門家のチェックが入り、お披露目。ということになります。
以前にも書きましたが、このイメージ図や鳥観図制作の際、その利用目的をしっかり見据えていないと、果てしなく欲望を盛り込みたくなります。
例えば、この遺跡を訪ねて現地へ立てば、雄大な「大山」の麓であることに魅了されるでしょう。ですが、大山の姿を盛り込むような描画をすれば、肝心な遺跡の詳細が間違いなく損なわれます。また、鹿之助脱獄のストーリーなどを盛り込んだら、「ウオー〇ーを探せ」みたいなパズル絵と化すかもしれません(笑)。
と、それほどまでに魅力的な鳥観図作成ではありますが、いつも製作時間がタイトにならざるを得ず、さぞ皆様ハラハラされたことでしょう。
今回も、ご関係の方々に、多大な協力と助言を賜りました。いつも貴重な経験をさせて頂き、本当にありがとうございます。
またお役に立てることがあるかもしれません。懲りずにお声掛けくだされば幸いです。
アトリエ主でした。
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